電車内に流れる爆音! SNSで「バズる」愚行、「静かな車内」は過去の遺物? 厳罰なき日本で加速する「音ハラ」を考える

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公共交通の静寂が揺らいでいる。英国で罰則検討中の「ベアビーティング」は、スマホとスピーカーを使い音空間を支配し、SNS投稿で拡散。日本でも女性の動画が話題となり、制度の不備と価値観の対立が浮き彫りに。乗務員の排除権限や音声検知システム導入など、利用者が快適さを求める現実に即した新たな対策が急務だ。

静寂を破る価値観対立

 日本の都市交通は、暗黙の了解と社会の同調圧力のもとで成り立ってきた。お互いに見守り合い、暗黙のルールがバランスを保っていたのだ。

 しかし、ベアビーティングのような行為は、そのバランスに正面からぶつかる。スピーカーから流れる音は、単なる音ではない。空間を一方的に支配し、他人の自由な行動を奪う手段だ。空間の自由を独り占めしてしまうようなものだ。問題は、この行為が「ルール違反」ではなく、

「価値観の主張」

として行われている点にある。従来のマナーでは、迷惑は無意識の間違いだった。しかしベアビーティングは意図的で自覚的だ。ときには挑発的な側面もある。こうした行為は、従来のマナー教育だけでは抑えられない。

 ここでの構造的な問題は、

「「無音を守る努力」と「音を出す楽しさ」の差」

にある。無音を守るには社会全体の努力が必要だが、音を出すのはスマホひとつで簡単にできるのだ。

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