デザインとブランド戦略――新しい日本車の魅力【連載】Make Japanese Cars Great Again(4)
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日本車のデザインは、世界を魅了してきた。マツダロードスターやトヨタプリウスなど、ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤーを受賞した車が示すように、規模に関わらず独自の美学が成功の鍵となっている。特にEV市場では、デザインの差別化が重要な課題となり、日本の美意識が新たな方向性を示す。
差別化が難しくなるデザイン

EVは、デザインによる差別化が必須となるものの、自動車ブランドとして築き上げてきたデザインを除き、差別化しにくくなってきている。
エクステリアでいえば、空力特性や衝突安全性などの理由により、形状が均一化する方向にある。航空機や船舶が似たような形状をしているのは、物理学上の正解があるからだ。EVは、バッテリー性能はもちろん、エコを全面に出している以上、電費を意識した物理的な正解に近づけざるを得ない。
インテリアも、ハンドルとパネルと、指示器のスイッチだけあれば十分であり、ごちゃごちゃした機械的なコクピットは過去のものとなる。自動運転が広く普及すればハンドルすら不要となり、さらにはラスベガスCES2023でBMWが発表した電子ペーパーフィルムが実用化されると、カラーリングや視覚的な凹凸もソフトウェア次第となる。
差別化が難しくなるなかにおけるキーワードは
「個性化」
だろう。この個性化とは、斬新、奇抜、アバンギャルドといった、たとえ一時期であっても売れさえすればいいといった一過性のデザインではない。日本のEVが目指すべきは、少し高くても美しいうえ、末長く愛されるデザインだ。デザインにメッセージを託すなら「日本の美」となる。