デザインとブランド戦略――新しい日本車の魅力【連載】Make Japanese Cars Great Again(4)
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日本車のデザインは、世界を魅了してきた。マツダロードスターやトヨタプリウスなど、ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤーを受賞した車が示すように、規模に関わらず独自の美学が成功の鍵となっている。特にEV市場では、デザインの差別化が重要な課題となり、日本の美意識が新たな方向性を示す。
ブランド・メッセージを可視化するデザイン

デザインには、ブランドを可視化する、あるいはユーザーに向けてメッセージを送る役割がある。ブランドには、自動車メーカーと個々のモデルのふたつがある。
自動車メーカーの端的な例は、BMWやポルシェだ。一目で
「ああ、BMWだ」
「ポルシェらしい」
と感じる、自動車メーカーとしての統一性がある。個々のモデルの例では、トヨタクラウンがわかりやすい。2012(平成24)年に登場した14代目クラウンは、過去のクラウンとは一線を画すデザインで物議をかもしだした。「新たなる革新への挑戦」というメッセージを可視化したデザインだったが、販売台数が2012年の約3万台から2013年は8万台を突破。おじさんの車を脱して幅広い層に受け入れられた成功例だろう。
このように、デザインにはメッセージ性を加えることで売れ行きを左右する力がある。電気自動車(EV)に目を向けると、現在テスラや比亜迪(BYD)といった新興自動車メーカーが躍動している。新興自動車メーカーのデザインに惹きつけられるのは、
・既存の自動車メーカーに対するアンチテーゼ
・開拓者としての若々しさ、躍動感、力強さ
にある。それは、EV黎明期だからこそ支持されるデザインにすぎず、普及期に入った際は通用しないだろう。新たな自動車メーカーの参入にともない競争が激しくなるEVは、差別化するためにもデザインがより重要になってくる。