なぜディーラーは「カスタムお断り」なのか!? ホイール交換すらNGの衝撃! 元営業マンが語る整備拒否の真相とは
合法カスタムでも入庫拒否――約4割が経験するカスタマイズ需要の拡大を背景に、ディーラーの対応が揺れている。保証リスクを恐れる現場の実情と、ユーザーの「自由」とのすれ違いが生む新たな摩擦とは。現場経験者が語る最前線。
電子制御化が招く整備リスク

筆者がかつて勤務していたディーラーでは、納車から1か月も経っていない高級車のオーナーから「エンジンがかからない」との緊急連絡が入った。レッカーで運ばれてきた車両をメカニックが確認したところ、制御用コンピューターが破損していることが判明した。
ユーザーに状況を尋ねると、「ルームランプをLEDに交換しようとしただけ」との回答だった。ルームランプのLED化はクルマ好きの間では一般的な軽整備である。しかし、作業中に何らかのショートが発生し、それが原因でコンピューターが損傷したと推定された。
2000年代以降、クルマの電装系は高度に電子制御化されている。すべての電気系統は一度コンピューターを介して制御される構造になっている。つまり、たとえ電球ひとつの変更でも、ノーマル状態から逸脱すれば車両全体のシステムに影響を与えかねない。このケースでは、コンピューター交換に約15万円の費用が発生し、メーカー保証も適用されなかった。
こうしたトラブルが発生すると、ディーラー側は
「誰に責任があるのか」
という問題に直面する。結果として、少しでもリスクを回避しようと、一律にカスタマイズ車の入庫を拒否する方針を取るディーラーが出てくる。背景には、過剰整備ではなく、責任回避のための組織防衛の論理がある。