鉄道オタクvs鉄道会社、なぜこんなに揉めるのか? 荒れる撮影現場、「撮ってやる」の態度は傲慢過ぎ? すれ違う認識の終着点とは【連載】純粋鉄オタ性批判(2)

キーワード :
,
承認欲求と「貢献意識」が交錯する鉄道オタクの過剰行動が、現場の安全や鉄道事業者との関係を揺るがしている。全国96社中約8割が赤字という厳しい経営環境の中、鉄道とオタクの「共創」はいかにあるべきか――現場と数字から読み解く。

事業者の判断軸由

鉄道(画像:写真AC)
鉄道(画像:写真AC)

 鉄道事業者には、単に列車を動かす以上の社会的責任が課されている。法令を遵守し、安全第一の運行で事故を防ぐこと。効率を高めて収益を確保し、社員を守ること。これらは事業者として当然の責務だ。

 2024年8月9日付の日本経済新聞によれば、大手鉄道18社の2024年4~6月期連結決算では、15社が前年同期比で純利益を増やした。だがこれは、運賃改定やコロナ禍からの人流回復による一時的な増収によるもので、先行きは依然として不透明との見方が一般的である。

 また国土交通省のデータによると、2023年度は全国96社のうち80社、すなわち約8割の地域鉄道(中小私鉄・第三セクターを含む)が、鉄軌道業の経常収支ベースで赤字を計上した。モータリゼーションの進展、少子高齢化の加速により、状況はさらに厳しさを増すと見られている。

 こうした経営環境のなかで、鉄道オタク向けイベントの有料化は避けられない措置となっている。背景には

・混雑緩和
・運営コストの回収
・一部の偏狭でネット上でのみ活発な若年層オタクの抑制

といった狙いもある。真に鉄道を愛する立場であれば、こうした経営の現実に目を向けるべきだ。人口減少、エネルギーコストや人件費、車両維持費の高騰。こうした課題に直面するなか、鉄道事業者は収益の多角化にも取り組まざるを得ない。

 オタク側も、そうした経営課題に対してアンテナを張り、現実を踏まえた支援のあり方を模索すべきだろう。鉄道への愛は、現場の声と経営の実情に対する理解をともなってこそ本物である。

全てのコメントを見る