60代が「クルマをいじる」本当の理由──10万円超も惜しまぬ“再カスタマイズ熱”とは?
改造から最適化へ──いま、36.6%が再びクルマに手を加える時代に突入した。自由時間と資金の余裕、そして人生後半の自己実現欲求が後押しする、静かなるカスタマイズ需要の拡大を読み解く。
10万円超支出も視野の快適投資

20代もまたカスタマイズ熱の高い世代として挙げられるが、その方向性はやや異なる。より感覚的で、冒険的で、今しかできない挑戦の色合いが強い。だが、60代は違う。彼らのカスタマイズは、実用性と趣味性、自己満足と合理的判断の間をうまく取り持っている。
例を挙げれば、内装のレザー張り替えや、視認性向上のためのメーター類のカスタム、または趣味と実用を兼ねたキャンピングキットの装着など。これらは個性の表現でありながらも、快適性や安全性と矛盾しない。
では、実際にどこまで費用をかけるのが妥当なのか。調査によれば、カスタマイズにかける予算として最も多かったのは「1万~5万円未満」(28.1%)、次いで「5万~10万円未満」(25.8%)だった。一方で、10万円以上を検討する層も30%以上おり、その多くが50~60代である。
ここで重要なのは、その車を何年使う予定なのかという視点だ。仮に10年使うとすれば、年間1万円のカスタマイズ費用で乗り心地の向上や運転中のストレス軽減が得られるのであれば、それは無駄な出費どころか、高コストパフォーマンスといえる。
また、走行距離や運転頻度が高いほど、装備に対するリターンも大きくなる。カーナビの更新、ドライブレコーダーのアップグレード、あるいはシートの交換などが、その典型だ。快適性と安全性の二軸で測るならば、10万円~20万円までの投資は、相応の価値をもたらす。