60代が「クルマをいじる」本当の理由──10万円超も惜しまぬ“再カスタマイズ熱”とは?
改造から最適化へ──いま、36.6%が再びクルマに手を加える時代に突入した。自由時間と資金の余裕、そして人生後半の自己実現欲求が後押しする、静かなるカスタマイズ需要の拡大を読み解く。
60代で“再燃”する理由

興味深いのは、30代から50代にかけてカスタマイズ意欲が低下する一方で、60代で再び上昇するという点だ。特に、カスタマイズ予算を「10万~20万円未満」「20万円以上」「金額は気にせずに理想を追求したい」とする層では、50代・60代が
「48.6%」
を占めている。この傾向の背景には、いくつかの要因がある。第一に、自由時間の回復だ。仕事からの引退や子育ての終了といった節目を経て、自分のために時間と意識を使えるようになる。車という“個室”が、再び自己表現の場としてよみがえる。
第二に、資金的な余裕が戻ることが挙げられる。教育費や住宅ローンの負担が重い40代を抜け、60代では可処分所得にゆとりが生まれる。どうせ使うなら快適にと考えるようになるのも自然な流れだ。
第三に、若返りへの欲求がある。外見を変えるのは難しくても、車の装いを変えることで内面に変化をもたらしたい。かつてクルマ社会に憧れた世代が、今それを自分の手で“完成”させる時期に入ったともいえる。