鴻海、日本の自動車産業を「破壊」する? 国内メーカーとの協業、脱・自前主義! EV産業の変革? 自動車メーカーの存在意義を問う関潤氏の野望とは

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鴻海精密工業は、2025年4月9日に発表したEV戦略で、日本市場に乗用車やバスを2027年までに投入する計画を明らかにした。新たな製造体制では、垂直統合型から水平分業への転換を進め、EV業界の構造変革を目指す。その背景には、ソフトウエア主導の新しいビジネスモデルが見据えられており、業界全体に波及する影響が期待されている。

自前主義の終焉と新連携の時代

2025年3月25日発表。主要メーカーの電気自動車(BEV/PHV/FCV)販売台数推移(画像:マークラインズ)
2025年3月25日発表。主要メーカーの電気自動車(BEV/PHV/FCV)販売台数推移(画像:マークラインズ)

 EV時代の到来にともない、

「車づくりの責任を誰が担うのか」

が問われている。これまでの自動車産業は、大量生産によるスケールメリット、熟練技能、系列サプライヤーとの協調といった仕組みを基盤に成長してきた。しかし、EVシフトによって前提が大きく変わった。ソフトウエアと電動化が中核となり、スピード、柔軟性、そしてコネクティビティ(接続性)が重視される新たな価値基準が生まれている。

 例えば、EV製造を鴻海、ソフトウエアをグーグル、バッテリーをCATL、コネクテッドサービスをマイクロソフトが担う――というように、各領域で責任が分割される構造が現実のものとなりつつある。

 こうした状況下で自動車メーカーが生き残るには、自社ですべてを抱え込むのではなく、どの領域を自ら担い、どこを信頼できるパートナーに委ねるかの再設計が求められる。

「すべてを自前でつくる時代」

はすでに終わった。どれだけ優れた外部リソースと連携できるかが、競争力を左右する。

 鴻海のEV戦略は、こうした新たな産業標準をつくろうとする試みである。共通化された車両アーキテクチャは、開発コストと期間を大幅に削減する。それにより、スタートアップや中堅メーカーでもEV製造への参入が可能となる。

 鴻海と日本メーカーによる協業がどのような成果をもたらすのか。日台連合の次なる一手として、その動向を注視したい。

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