テスラ「サイバートラック」日本で売れない理由! 防弾仕様がアダに? 安全基準の壁、リコールも発生! イーロン・マスクの誤算?

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テスラのサイバートラックはそのユニークなデザインと強靭な性能で注目を集めるが、安全基準の違いから、日本では販売されていない。約3tの重量、最大けん引能力4990kgを誇り、五つ星評価を受けつつも、規制に適合しないため多国で公道走行が不可能だ。今後、規制の壁をどう乗り越えるかが鍵となる。

テスラが直面する設計と規制の壁

サイバートラック(画像:Pexels)
サイバートラック(画像:Pexels)

 サイバートラックのボディは端が鋭利で、野菜の皮をむくような使い方はできるが、鋭角に人が衝突するのは危険だ。

 車両の重量は約3tで、最大けん引能力は4990kgに達する。最高速度は時速209kmで、ドラッグレースではポルシェ911に勝利したこともある。しかし、生身の人間が衝突した場合、その衝撃に耐えられるわけがない。

 サイバートラックは、日本や欧州連合(EU)、英国などが定める車両突起物規則基準を満たしていない。このため、多くの国では公道を走行できない。

 角張った外観をしているのは、斬新さを追求した結果だが、製造過程にも理由がある。使用されているステンレス鋼は非常に頑丈で加工が難しく、プレスで曲線を作れないため、元々の素材の形状を活かした直線的なデザインが採用された。

 米国市場では広い道幅と大きな車が好まれる。特にオフロードやアウトドアでは、ピックアップトラックが人気だ。都市部では縦列駐車時にバンパーをぶつけるのは珍しくない。また、米国は銃社会であり、犯罪率の高い地域も多いため、防弾性能を備えた車両は安心感を提供する。

 さらに、歴史が浅い米国では「強さ」が国のアイデンティティであり、大きくて頑丈な車が好まれる。

 一方、日本は治安がよく、道幅が狭く、街乗りが多いため、状況は大きく異なる。

 サイバートラックが米国以外の北米地域でも広く販売されるには、規制またはテスラの設計のいずれかを変更する必要がある。

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