テスラ「サイバートラック」日本で売れない理由! 防弾仕様がアダに? 安全基準の壁、リコールも発生! イーロン・マスクの誤算?
テスラのサイバートラックはそのユニークなデザインと強靭な性能で注目を集めるが、安全基準の違いから、日本では販売されていない。約3tの重量、最大けん引能力4990kgを誇り、五つ星評価を受けつつも、規制に適合しないため多国で公道走行が不可能だ。今後、規制の壁をどう乗り越えるかが鍵となる。
「強靭さ」が示す安全性の限界

テスラの電気自動車(EV)ピックアップ「サイバートラック」は個性的で注目されることが多いが、日本で走っている姿を見たことはないだろう。実際、北米以外では販売されていない。
テスラの他のモデルと異なり、なぜサイバートラックは世界中で販売されていないのだろうか。その主な理由は、安全基準の違いにある。この問題を詳しく見ていこう。
サイバートラックの車体はステンレス鋼で作られており、防弾仕様だ。ガラスは時速112kmの野球ボールにも耐えられ、大谷翔平が軽く投げた硬式球程度では割れない。
米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)の衝突試験では、サイバートラックは総合評価で五つ星を獲得した。競合の「フォードF-150」も同じく五つ星評価だ。
一般的な車は、ボンネットなどのクラッシャブルゾーンが潰れて衝撃を吸収し、頑丈なフレームでキャビンを守る構造になっている。しかし、サイバートラックの衝突試験では、ほとんど潰れた様子が見られなかった。硬い素材で作られているため、潰れる構造にはなっていない可能性がある。それでも五つ星評価を受けており、何らかの方法で安全性が保たれていることが示唆される。
ただし、注意すべき点がある。この試験では車内の人の安全のみが評価されており、実際に対向車や歩行者との衝突がどうなるかは調べられていない。サイバートラックは強靭なボディを持つが、その「強さ」が必ずしも「安全性」を意味するわけではない。