ジムニー、N-VAN…ヒット車は「共感」から生まれた? ユーザーの声をカタチにする「自動車文化論」の復活を!燃費・価格目線を今こそ超えないか?

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自動車メディアが燃費やコスト、安全性といった実利的な指標に傾倒する中、「文化論」の価値は忘れ去られつつある。しかし、ユーザーの共感が市場を動かす事例は枚挙にいとまがない。スズキ・ジムニーやホンダN-VANが遊び心を重視した設計で長期的な人気を誇るように、実用性だけでは測れない「心地よさ」や「楽しさ」が新たな需要を生み出している。未来のモビリティを考える上で、今こそ「それ、いいね」と共感を起点とした自由な議論が求められているのではないか。

自動車文化再興のカギは共感力

 最終的に、自動車文化論が今求められているかどうかは、「共感が未来を動かす力を持つか」にかかっている。

 かつて『NAVI』誌が果たした役割は、単なる愛好者向けの読み物にとどまらなかった。そこで交わされた自由な発想と共感の積み重ねが、新たな価値観を生み出し、自動車文化を豊かにしてきた。

 そして今、移動の在り方が多様化し、クルマの役割が変わる中で、再び「共感を起点とした議論」が求められている。実用性や経済性だけでは語り尽くせない「心を動かす体験」を探求すること――それこそが、未来のモビリティを形作るカギとなる。

 だからこそ、再び「それ、いいね」と語り合う場を作るべきだ。そこから生まれる小さな共感の連鎖が、新たな時代のモビリティを、より豊かで人間的なものへと導いていくはずだ。

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