「送料無料表示」の陰で進む不平等な搾取! ガソリン代1.5倍で苦しむ軽バン配達員、今こそ燃料サーチャージ導入が必要だ

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端的にいう。EC・通販の送料無料表示は今すぐ撤廃すべきだ。できるなら法律で禁じてほしい。ガソリン価格の高騰に苦しむEC・通販の配達を担う軽バン配達員を守るためである。

配達員負担増、再配達料未払いの現実

再配達率は、コロナ禍で一度大きく下がったが、以降は下げ止まっている。宅配便の再配達率サンプル調査について」より(画像:国土交通省)
再配達率は、コロナ禍で一度大きく下がったが、以降は下げ止まっている。宅配便の再配達率サンプル調査について」より(画像:国土交通省)

 先日、軽バン配達業界の関係者から興味深い主張を聞いた。

「再配達削減が進まないのは、EC・通販事業者や元請事業者に原因があります」

というのだ。政府は物流革新政策の一環として、2024年度中に再配達率を6%まで削減する目標を掲げている。だが、最新の統計調査(2024年10月)では、再配達率は10.2%。目標とはまだ大きな差がある。

「EC・通販事業者や元請は、再配達が発生したとしても、基本的には問題はないんですよ。なぜならば、再配達に関しては配達員に配達料を支払わないから。だから、再配達がいくら増えても、EC・通販事業者や元請の懐は痛みません。だからEC・通販事業者や元請には、本気で再配達を減らそうというモチベーションが働きません」

と、この関係者は語る。この意見には一理ある。再配達になったとしても、配達員は実際に配達先まで行っており、労働が発生している。それなのに「再配達になったら配達料を支払わない」というのは理不尽だ。もしEC・通販事業者や元請事業者が配達員に再配達料を支払うようになれば、彼らももっと本気で再配達を減らそうとするはずだ。

「でも、配達できていないんだから配達料を支払う義務はない」

EC・通販事業者や元請事業者はそう主張するかもしれない。しかし、立場の弱い配達員にそのツケを押し付けるのは明らかにおかしい。

 燃料サーチャージについても同じことが言える。燃料価格の高騰という、配達員にはどうにもできない問題のコストを、立場の強いEC・通販事業者や元請事業者が配達員に押し付けているのが現状だ。

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