「無人トラック」が高速道路を爆走? 2025年、実現迫る自動運転トラック時代 国交省が描く「理想」と「現実」を読み解く

キーワード :
, ,
2025年、関東・関西間を走る自動運転トラックが現実に。大王製紙とT2の提携で進む実証実験は、物流業界の未来を切り開く一歩となる。しかし、完全自動運転に向けては、技術だけでなく、社会的な理解と調和も求められる。

課題は「一般ドライバーの理解」

 自動運転トラックの実証実験に関する大王製紙の公式サイトには、次のように記載されている。

「昨今「物流の2024年問題」から生じる輸送能力不足が懸念され、各荷主においても様々な対応が迫られています。このような中、大王製紙は生活者の皆さまにトイレットペーパーなどの衛生用紙を安定的にお届けするため、同業種・異業種との共同輸送や倉庫内での無人フォークリフト活用、ダブル連結トラック活用に向けたテスト輸送といった様々な取り組みを積極的に実施しています。またT2は、自動運転トラックの技術開発により物流課題解決を目指しており、この度、両社が協力し、持続可能な安定輸送の構築に向け、2027年のレベル4自動運転トラックを活用した幹線輸送の実現を目指すに至りました」

 この内容をそのまま受け止めると、最初はレベル2自動運転でデータを収集し、約3年後にレベル4の自動運転を実現するという計画だ。だが、その実現に向けて立ちはだかる壁は

「一般ドライバーの理解」

ではないだろうか。自動運転トラックと有人トラックの調和が取れるのかという点が重要だ。もし自動運転トラックが有人トラックや他の普通車に不安を与える存在となれば、新しい技術の導入どころか、社会的な受け入れが難しくなる可能性がある。この不安を解消するための第一歩として、重要なのは

「一目で自動運転トラックとわかる表示」

である。実際、12月4日の検証では自動運転トラックに「自動運転実証実験中」というステッカーが貼られていた。しかし、さらにわかりやすく

「この車両は自動運転車である」

という認識を広める方法はないだろうか。例えば、軍用機の試作機のように、荷台に特徴的なカラーリングを施すことで、遠目からでも「あれは自動運転車だ」と認識できるようにする方法が考えられる。このように、実証実験段階の自動運転トラックが有人トラックと見た目で区別がつかないことは、やはり問題視すべき点である。

全てのコメントを見る