「無人トラック」が高速道路を爆走? 2025年、実現迫る自動運転トラック時代 国交省が描く「理想」と「現実」を読み解く
2025年、関東・関西間を走る自動運転トラックが現実に。大王製紙とT2の提携で進む実証実験は、物流業界の未来を切り開く一歩となる。しかし、完全自動運転に向けては、技術だけでなく、社会的な理解と調和も求められる。
自動運転のレベルをおさらい

自動運転の技術は、レベルごとに実現可能な範囲が大きく異なる。今回は、国土交通省が公開している資料をもとに、各レベルの自動運転について解説する。
まずはレベル1の自動運転について。これは自動運転と呼ぶには不十分であり、具体的には自動ブレーキや車線維持、前方車両への追従走行といった機能が中心だ。これらは走行中の安全性を高める技術であり、完全な自動運転とは程遠い。万が一事故が発生した場合、責任はドライバーにある。
次にレベル2自動運転について説明する。これはT2と大王製紙が導入するシステムで、国土交通省の資料では「特定条件下での自動運転機能(高機能化)」と記載されている。このレベルでは、高速道路において、遅い車両を自動で追い越したり、分岐や合流を自動で行ったりすることができる。ようやく自動運転らしさが出てきたが、依然として運転の主体はドライバーであり、システムは補助的な役割に留まる。
さらに進んだレベル3自動運転では、「条件付自動運転」としてシステムが運転動作のすべてを担うことになる。しかし、システムが介入を要求する場合があり、その際にはドライバーが操作を行わなければならない。
そして、国土交通省が目指しているのはレベル4自動運転である。これは「特定条件下における完全自動運転」と定義され、予め指定された区間で完全な自動運転が可能となる。このレベル4の実現は、T2をはじめとする自動運転システム開発企業にとって、達成すべき最重要目標である。