「無人トラック」が高速道路を爆走? 2025年、実現迫る自動運転トラック時代 国交省が描く「理想」と「現実」を読み解く
2025年、関東・関西間を走る自動運転トラックが現実に。大王製紙とT2の提携で進む実証実験は、物流業界の未来を切り開く一歩となる。しかし、完全自動運転に向けては、技術だけでなく、社会的な理解と調和も求められる。
「自動運転車両専用レーン」で走行

自動運転トラックの実証実験には、大王製紙だけでなく、他の企業も参加している。例えば、2024年12月12日には日本郵便・JPロジスティクスがT2とセイノーHDが実施する実証実験に参加する意向を示した。このように、自動運転トラックに強い関心を示す企業は増えてきているが、要求があるからといって、手順を飛ばして無理に目標を達成することはできない。まずは、下位のレベルの自動運転技術を確立することが重要だ。
2024年12月4日、国土交通省は新東名高速道路の浜松サービスエリア(SA)下りで自動運転トラックの要素技術検証を実施し、その結果をメディアに公開した。この検証では、SAへの駐車や発進を自動運転で行う内容が試された。システム開発を行うT2もこのプロジェクトに参画している。
今後は、新東名高速道路の駿河湾沼津SAから浜松SAまでの区間で検証が進められ、2025年春までには関東から関西まで自動運転トラックが走行する予定となっている。このスケジュールは、T2と大王製紙の提携業務の予定と重なる。
気になるのは、自動運転トラックの走行レーンだ。国土交通省によると、専用レーンが設けられる予定だが、これは新たにレーンを作るという話ではなく、左側走行車線を利用する形になる。