信号機のない横断歩道、なぜ車は止まらないのか? 47%のドライバーが無視! 「歩行者優先」のルールは絵に描いた餅か?
信号機のない横断歩道で歩行者優先が守られない現状が浮き彫りに。全国平均停止率53.0%と改善傾向にあるものの、未だ半数の車両がルールを無視する。事故や地域間格差の課題を背景に、カラー塗装や取り締まり強化などの効果的な施策が求められる。横断歩道の「安全と経済性」を両立する未来への道筋とは?

「信号機のない横断歩道」は、もっと安全に渡れるように改善できないだろうか。
横断歩道においては、道路交通法第38条に基づき、「歩行者優先」が明確に定められている。車両は、歩行者や自転車が横断している場合、横断歩道の手前で一時停止しなければならない。
このルールに違反した場合、2点の違反点数が加算され、普通車の場合は9000円の反則金が科される。さらに悪質な場合には、懲役3か月以下、または5万円以下の罰金が科せられる。それにも関わらず、多くの車両が平然と横断歩道を通過しているのが現状だ。
日本自動車連盟(JAF)が毎年実施している「信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況全国調査」の最新データ(2024年11月発表)によると、全国平均で
「53.0%」
の車両が横断歩道で停止し、歩行者に道を譲っているという結果が得られた。この数字は2018年の8.6%から着実に改善してきたものの、依然として約半数の車両が停止しない計算となる。
この状況は、歩行者や自転車にとって大きなフラストレーションとなっている。しかし、それだけではない。横断歩道で本来止まるべき車両が歩行者と衝突する事故も発生している。