障がい者送迎車で続く性犯罪 「GPS監視」強化はもはや必須なのか?
障がい者送迎車内での性犯罪は施設数の増加にともない、安全対策が急務となっている。ドライバーのバックグラウンドチェックや教育、GPS監視システムの強化が求められる。また、性被害に関する調査では、発達障がい者の35%が性的被害を経験していることがわかっている。再発防止のためには業界全体での取り組みが必要だ。
モビリティ企業の責任

障がい者支援における運送業の役割は、冒頭で述べたように、保護者や利用者の送迎負担を軽減することだ。送迎するのは心や脳、身体に不自由がある人々だ。そのため、一般的な送迎よりもより多くの配慮が必要だ。
例えば、パニックを起こさないように配慮した運転が求められる。シートベルトを固定する際でも、細かい気配りが必要だ。また、送迎は単独の利用者の場合もあれば、複数の利用者を同時に乗せて行うこともある。複数人を乗せる場合は、
・乗車位置
・席順
にも配慮が必要だ。利用者同士の相性も考慮しなければならない。
つまり、福祉・介護送迎では、利用者の心身のケアを考慮しながら運転を行わなければならない。これには、障がい者支援に特化した運送業者の存在が必要だと思われる。
ただし、現在のドライバーの人手不足を考えると、運転技術と心身のケアを両立できる“スーパーマン”のようなドライバーはまれだ。そこで、
「複数の事業者が送迎車を共有」
し、人物評価に行政が関与することがひとつの解決策となるだろう。
さらに、運送業界全体で安全基準を策定し、ノウハウを共有することも重要だ。例えば、児童デイサービスの送迎バスでも、同様の事件が起こる可能性はある。GPS追跡システムやカメラを導入し、リアルタイムで監視できれば、保護者や事業者も安心して送迎業務を見守ることができる。
性被害を防ぐためとはいえ、
「過剰な対応ではないか」
といった意見もあるだろう。しかし、結論としては、これらの対策は必要だ。なぜなら、性犯罪被害は直近4年間で減少していないからだ。