70代が支える“マイカー社会”の現実! 免許返納後、移動の選択肢はどう変わるのか?【連載】牧村和彦博士の移動×都市のDX最前線(26)
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2021年の動向によると、道路を利用する人の平均年齢は57.6歳で、最も多い年齢層は70代前半だという。マイカー依存が進むなか、団塊の世代が免許を返納した後の移動手段が課題となっている。そこで、カーフリーデーや公共交通の利用習慣を若いころから身につけることが重要だと指摘されている。
今こそ移動訓練を

今後、日本では大量の団塊世代が免許を返納し、マイカーではない移動生活を余儀なくされることになる。冒頭に紹介した70代前半がまさにその世代だ。マイカーを手放した人がいきなり
「路線バスに乗れるのか」
といえば、そう簡単な話ではない。オンデマンド交通があるからといって、サクサク利用できる訳もない。まずは若いうちから、マイカー以外での移動の習慣、移動のコツを学んでおくことがとても重要だ。
・時刻表があり時刻に合わせて移動すること
・自分や家族以外の人たちと空間を共有すること
・マイカーで行っていた場所や頭のなかの地図に公共交通の路線や移動時間を重ね合わせること
・昔はあった駅待ちのタクシーが今も自分の地域で運行しているのか、夜も運行しているのか自分で確認すること
など、生活習慣を変えるには、それなりの時間と努力が必要だ。
筆者からは、そのような事態になる前からの備えとして、できれば
「50代に差し掛かった頃」
から、年に一度の移動訓練を9月22日に行うことを提案する。手始めとして普段お世話になっている理髪店や美容院に公共交通で行くことをお勧めしたい。
行政が政策としてカーフリーデーに取り組む際には、今の日本で生じている運転士不足による鉄軌道や路線バス、タクシーの減便や廃止が今後一層深刻になること、自分の身の回りに今何が起きているかを伝えることが大切だろう。いざ自分が免許返納したときには、バスやタクシーがそもそもなくなっており、自分の足で移動すること自体が困難になっているかもしれないのだ。
また現金が使えない乗り物も増えつつあり、自動運転社会が到来すれば安心と考えている人も残念ながら無人の自動運転は現金お断りだ。現金以外の乗り方、支払い方を今から学んでおくこともあわせてお勧めしたい。