フィリピン市場で34%成長! 「三菱自動車」がタイやインドネシアでも勝ち抜くための成功要因とは

キーワード :
,
三菱自動車が東南アジア市場でシェアを広げている。インドネシアでは大規模な投資で生産力を3倍に増強し、フィリピンでも販売が34%増加。「エクスパンダー」や「トライトン」といった人気車種が好調だ。さらに、環境規制に対応したEV開発を進め、タイやベトナムでも急速に成長中。競争が激化する中でも、三菱はさらなる投資で未来を切り拓いていく。

成長の鍵は現地市場への投資とパートナーシップ

ミツビシ・モーターズ・クラマ・ユダ・インドネシアで生産する新型コンパクトSUV「エクスフォース」(画像:三菱自動車)
ミツビシ・モーターズ・クラマ・ユダ・インドネシアで生産する新型コンパクトSUV「エクスフォース」(画像:三菱自動車)

 三菱自動車にとって現地への投資は成長に欠かせない重要な役割を果たしている。例えば、タイやインドネシアなど東南アジアの主要市場で、工場建設や設備拡充に数百億円規模の投資をしてきた。これにより、現地での生産体制が強化され、コスト削減や迅速な供給が可能になった。また、現地の消費者ニーズに合わせた車種の開発や製品のカスタマイズがしやすくなり、競争力も向上した。

 さらに、三菱自動車は現地企業との戦略的パートナーシップも積極的に進めている。インドネシアでは、現地の大手財閥と合弁会社「ミツビシ・モーターズ・クラマ・ユダ・インドネシア(MMKI)」を設立し、販売網の拡大やアフターサービスの向上に取り組んでいる。また、各国政府との協力を強化し、現地経済への貢献を通じて地域社会からの信頼も得ている。これにより、政府からの優遇措置や税制優遇などを受け、競争優位性を確保している。

 実際、三菱自動車の東南アジア諸国連合(ASEAN)全体での市場シェアは約9%に達しており、東南アジア市場での地位は堅固なものとなっている。インドネシアでは2022年の販売台数が15万台を超えるなど、同国での成長も著しい。このような実績から、現地市場への適切な投資やパートナーシップが成功をもたらしていることがわかる。

 しかし、東南アジア市場は他の自動車メーカーも注力しており、競争が激化している。トヨタやホンダなど日本のメーカーだけでなく、韓国のヒュンダイや中国の比亜迪(BYD)もシェアを拡大している。

 さらに、為替レートの変動や半導体不足、物流の問題などで、三菱自動車もここ数年で苦戦している。実際、2023年4~12月期の連結決算では、ASEAN地域での販売台数が前年同期比8%減の18万1000台となり、売り上げが減少した。特にタイ市場では、販売台数が前年の3万6000台から2万2000台に減少し、38%もの落ち込みを見せた。

 それでも三菱自動車は、東南アジア市場で競争力を維持するために、さらなる投資と技術開発を進めている。今後、どのような施策でシェア拡大を目指すのか、三菱自動車の動向に注目したい。

全てのコメントを見る