運賃低下の運送業界 仲介業者「ピンハネ悪玉論」で本当にいいのか
インターネット上に散見される水屋(貨物利用運送事業)の「ピンハネ悪玉論」。しかし水屋だけが悪いのだろうか。必要なのはお互いの妥協と合意形成だ。
プラットホームにあえて乗る戦略を

話を戻すが、水屋は自社商品を持たない分、いってしまえば「安く買って、高く売る」のが仕事といえるのだから、文句をいったところでその構造は変わらない。ただここまで話してきたような、付加価値から集客力をつけるまでは、
「プラットホームの利便性にあえて乗っかる」
のもひとつの手なのではないか。その中で
・付加価値の創出
・ネットワーク形成
・信頼関係の構築
ができれば、自社集客も可能になる。そうなれば、「いわれ値」でなく「指し値」で仕事をする環境につながっていくはずだ。
「利用されるのではなく、活用する」
べきである。相手を変えるより、自分を変える方が簡単だ。
質の高いサービスがコモディティ化してしまっている昨今。運送業に限らず、どの業種もこれまで以上のサービスが求められている。安さを価値にするのもひとつだが、秀でた別の何かを価値にし、その分料金に加算することも考えてほしい。低価格に疑問を覚えるのであれば、違う土俵で仕事をする意識を持ってみてはどうだろうか。
物流は、生活になくてはならない誇れる仕事だ。「取引上立場が弱い」などと考える必要はないのだ。