トラックドライバーへの根深い差別意識! ネット衝撃「おにぎり買わない」発言にみる構造的病理、これを打ち破るために最も必要な“指標”とは何か
社会的偏見と人手不足

日本でトラックドライバーは非常に重要な役割を果たしている。いや、それ以上で、彼らがいなければ日本経済は回らなくなる、まさに
「エッセンシャルワーカー」
なのだ。しかし、彼らの労働環境や社会的評価は依然として低い。坂田氏が指摘している自主荷役の問題に見られるように、正当な対価を得られず、過酷な労働条件に苦しむドライバーも多い。2024年春に改正された「標準的な運賃」では、ドライバーが自主的に荷役を行う場合、その作業を運賃とは別に付帯業務料として受け取る方針が示されたが、現場でそれがどう実施されているのかは疑問だ。
さらに、社会全体の偏見も根強く、彼らの仕事は十分に尊重されていない。
「ドライバーが触ったおにぎりは買いたくない」
といった発言は、まさに差別だろう。2022年6月には、ある就活サイトがトラックドライバーを含む職種を
「底辺職」
名指しし、ネットで炎上した。物流コンサルタントの久保田精一氏もこれに対して、
「そもそも職業で差別すること自体が論外と言わざるをえないが、内容的にも、底辺職の特徴として「同じことの繰り返し」だといいながら、職種の例に「保育士」(恐らく毎日が非日常の連続だろう)を含めるなど、ピント外れな記事ではあった」
と当媒体で強く批判している。ただ、今回のような問題提起型の記事が出ると、
「こういうことを書くから偏見が余計に助長されるんだ」
という声が必ず上がる。これは「寝た子を起こすな」といったような発想だろう。つまり、問題が表面化していないことについてあえて触れたり議論したりしない方がよいという見方だ。寝ている子どもを起こさないように静かにしておくことで、問題を刺激しないようにして新たなトラブルを避けようとする姿勢だ。
社会や組織に潜在的な問題があっても、今は大きなトラブルになっていない場合、これを支持する人は掘り下げることで
「新たな混乱や対立を引き起こすリスクがある」
と考え、現状維持を望む。しかし、この考え方には長期的には問題の根本的解決を遅らせるという批判もあり、事態が悪化する前に対処すべきだという意見も存在する。
前述の不当な労働環境は、短期的には企業のコスト削減につながるかもしれないが、モチベーションの低下や離職率の増加を引き起こし、業界全体で深刻な人材不足を招く。また、社会的な偏見は消費者の心理にも悪影響を与え、次世代の人材確保も難しくなるだろう。