「EV世界一」達成の源泉 “模倣”からの飛躍という方程式【短期連載】進撃のBYD(3)

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BYDは電池から始まり、自動車産業に進出。低価格セダン「F3」で急成長し、EV分野でも世界一の座を獲得した。公共交通への電気バス導入でもリーダーとなり、持続可能な技術革新をけん引している。

模倣からの進化

深センバス M375 K9 (BYDバス CK6120LGEV)(画像:写意人生)
深センバス M375 K9 (BYDバス CK6120LGEV)(画像:写意人生)

 BYDは、早い段階から公共交通へのEV導入を推進しており、2004年には深センでタクシーとして使用する50台を出荷した。この分野は着実に成長を続け、2011年には深センで初の電気バスが運行を開始した。

 それ以来、世界各国の都市に3万5000台以上の電気バスを納入し、2014年から2017年にかけて4年連続で世界一の電気バス販売台数を記録した。世界の都市で電気バスの導入が進むことで、持続可能な公共交通システムの構築が加速している。BYDの取り組みは、環境問題の解決に向けた具体的な行動として高く評価されている。

 各分野への着実な進出の結果、2022年にはBYDのEV販売台数は193万台に達し、テスラを抜いて世界一となった。中国市場では圧倒的なシェアを誇り、自動車メーカーとしての地位は揺るぎない。10年余りで、無名の民族系メーカーが世界一のEVメーカーへと躍進したのだ。

 前述のとおり、当初BYDは中国に有象無象存在したメーカーのひとつにすぎなかった。しかし、BYDは模倣から学び、新しい技術を組み込むことで、着実に成長していった。事実、急成長の背景には、地道な模倣と研究を繰り返すという姿勢があった。

 日本語でも「学ぶ」は「まねぶ」と同語源であり、「まねをする」という意味もある(小学館「デジタル大辞泉」)。学ぶことは。まずはまねをすることなのだ。

「日本車メーカーなどの優れた点」

を真剣にまねしたBYDには、そんなハングリー精神があったといえよう。

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