「EV世界一」達成の源泉 “模倣”からの飛躍という方程式【短期連載】進撃のBYD(3)

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BYDは電池から始まり、自動車産業に進出。低価格セダン「F3」で急成長し、EV分野でも世界一の座を獲得した。公共交通への電気バス導入でもリーダーとなり、持続可能な技術革新をけん引している。

政府支援という後ろ盾

2024年5月23日発表。主要メーカーの電気自動車(BEV/PHV/FCV)販売台数推移(画像:マークラインズ)
2024年5月23日発表。主要メーカーの電気自動車(BEV/PHV/FCV)販売台数推移(画像:マークラインズ)

 この急速な成長の背景には、中国政府によるEV産業振興政策と手厚い支援があったことも忘れてはならない。

 2009年、政府は「汽車産業振興規画(自動車産業振興計画)」を発表した。この計画は主要九大産業の振興策の一環として発表されたもので、

・乗用車の購入税減税
・乗貨両用車の買い替え補助金
・自動車および自動車部品メーカーの再編

などの支援策を規定している。

 また、2010年代を通じて、EVに対して1万ドルから2万ドルの補助金が支給される手厚い補助金制度があったが、これは中国で車両を組み立てる企業で、認定された中国のサプライヤーからリチウムイオン電池を調達する企業のみが対象であった。つまり、補助金制度によって中国のEVメーカーは競争上の

「優位性」

を獲得することができたのだ。この制度により、BYDなどの中国EVメーカーは急速に成長した。政府の支援により、電池技術や車両設計の開発を加速し、コスト削減を実現することができたのだ。この補助金制度は、中国EVメーカーが世界市場で競争力を得るための重要な基盤となった。

 こうした状況のなか、BYDはEVだけでなく、電気バスなどの公共交通分野でも大きな成功を収めている。

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