AT車 or CVT車 結局どちらがメリットあるのか?
CVTとATの比較を通じて、自動車のトランスミッション技術の進化と特性について解説。日本市場ではATが主流だが、両者の特性を理解し、車種や用途に応じて選択する必要がある。
街乗りに強いCVT、高速に適したAT

CVT車もAT車もそれぞれ長所と短所がある。どちらもアクセルペダルとブレーキペダルだけで運転でき、自動で変速するAT車として扱われるため、「AT限定免許」で運転できる。操作方法が同じなら、区別する必要はなさそうだ。しかし、CVTとATは前述のメリットを最大限に生かすために分けられている。
それぞれの長所を生かすために、大まかな区分がある。CVTは比較的パワーの小さいクルマの走行性能と燃費のバランスを取るのが得意で、街乗り向き。ATはハイパワーのクルマにも対応でき、耐久性にも優れるので高速走行や長距離走行に向いている。
また、車両の大きさによって搭載スペースに制限がある。例えば大型で高価な8速ATは、コンパクトカーや軽自動車には搭載スペースがないため不向きだ。しかし、大型の高級車であればスペースも確保でき、高価格にも対応できる。
このように、CVTとATでは、得意分野や用途によって別々に開発が進められてきた。販売に際しては、自動車メーカーが「この車種にはどちらが適している」と判断し、どちらか一方を「AT車」として発表する。消費者は選べないが、より使用目的に合ったものを手に入れられる。
また、CVTなのかATなのかなど、トランスミッションに関する情報がほとんどないため、自分のクルマがどのタイプのトランスミッションを搭載しているのか判断しにくい。Dレンジの後に「3、2、(L)」レンジがあればAT、Dレンジの後に「S、L(B、M)」レンジがあればCVTかどうかがわかる場合もあるが、すべての場合に当てはまるわけではない。