滋賀「米原駅」がびっくりするほど栄えてない理由・パート2! むしろ“何もない”を逆手にとって、「翔んで米原」目指すのだ

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東海道新幹線、東海道本線、北陸本線、近江鉄道が乗り入れているにもかかわらず、米原駅周辺は活気がない。というか、本当に何もない。名誉挽回のチャンスのカギはどこにあるのか。

観光振興ビジョン策定必須

観光地域づくり法人(DMO)の概要(画像:国土交通省)
観光地域づくり法人(DMO)の概要(画像:国土交通省)

 米原駅では駅改装に併せて駅を拠点に広域的な周遊観光の促進を図るため、2021年には彦根、米原、長浜、高島の4市と関係団体は「まいばら駅広域観光交流圏コンソーシアム」が設立されている。コンソーシアムとは、複数の企業や団体が共同で特定の目的やプロジェクトを遂行するために結成する協力体制や組織を意味する。

 この組織は「米原を湖国の東の玄関口に」することを掲げて、

・米原駅を核とした周遊ルートの作成
・民間事業者のバスの活用

など、さまざまな活性化策を実施することが期待されている。だが、肝心の米原市に観光戦略がないのに、他市と対等に連携は困難だろう。ところが、この組織の設立を報じた記事では、こう記されている。

「市民の懸念とは裏腹に市内の観光業者の展望は明るい。ある観光業者は「周辺市を含めた周遊観光を押し出せば、今まで米原だけでは来なかった人も、他の市に行くついでで来るようになるはず」と話し、「伊吹山や名水、サイクリングツアーなど売り出せるものはたくさんある」と魅力をあげる」(『中日新聞』2021年2月21日付朝刊)

 確かに、コンソーシアムの設立を契機として駅の観光案内所が整備されたり、旅行会社と連携したツアーなどの活動は行われたりしている。しかし、それらを生かすための明確なビジョンがなければ

「他の自治体に行くついでの通過点」

に終わってしまう危険性がある。この新聞記事でも指摘されているように「近隣市と協力しつつ、米原の魅力をどう差別化するかに成否がかかっている」のだ。

 このように、行政と民間が一丸となって観光振興に取り組むには、まずは米原市自身の観光振興ビジョンを策定することが不可欠だ。ビジョンなくしては、広域連携も画餅に帰す。

 4市によるコンソーシアムを真に機能させるためにも、米原市は早急に観光振興の指針を打ち出す必要がある。観光立市を掲げるのなら、その覚悟が問われているのだ。とはいえ、現状の米原市にそうした広域連携や受け入れ整備、人材育成を進める余力があるかと問われれば、答えはノーだろう。

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