“AIひき逃げ”が多発? クルマの自動運転化が導く“無責任社会”という名の未来

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自動運転には多くの未解決の問題が残っている。例えば、「自動運転」中の事故は誰が責任を負うのか。

あなたは自動運転車に乗りたいか

自動運転のイメージ(画像:写真AC)
自動運転のイメージ(画像:写真AC)

 AIに「疑わしい場合はブレーキ、停止」という原則を組み込めば安全側になるだろうか。しかしそうなったら歩行者・自転車が混在する市街地の一般道ではほとんど動けなくなるだろう。

 ドライバー自身にとっても不快かつ危険が生じる。システムに運転を任せていて、予期しないときに急ブレーキがかかったらどうなるかを想像すればわかる。自動車が自分の予期しない動きをするのはストレスでしかない。

 高レベルの自動運転になるほど、AIつまり他人が運転しているのと同じだ。信号の変わり目での判断の個人差などから、他人の運転に同乗しているといらいらしたり、自分で運転していないと車酔いしやすいなどはしばしば聞くことである。そもそも「自動車」という乗り物は、

「いつでもどこでも自分の意志のままに動ける」

のが魅力であって、それこそが公共交通を駆逐して普及した理由でもある。

混在期間をどうするのか

自動運転のイメージ(画像:写真AC)
自動運転のイメージ(画像:写真AC)

 自動運転車の普及に際して、

「在来車との混在期間をどうするか」

の問題も置き去りである。道路上の全車両が自動運転車であれば、相互に連携して最適な制御が行える可能性があるが、自動運転車の導入過程では、いかに普及を奨励するとしても道路上の自動車を一斉に自動運転に置き換えるのは不可能だ。

 専門家でもこの混在期間の問題に触れる論者がほとんどいない。むしろ混在期間ほど複雑な制御が必要になる。AIが相手を認識しているのかどうかを車外に発光ダイオード(LED)で表示すればよいと提案した学者がいる。

 在来車、歩行者、自転車にとっては各自が表示を見て別個に対応を考えるのだろうか。これは笑い話の部類だろう。また道路上の流れのなかで

「一部だけ挙動の違う自動車」

が混在したときの混乱や危険は容易に想像できるだろう。自動運転車が部分的に導入される過渡状態では、渋滞が劇的に増加するというシミュレーションもある。

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