イラン大統領がヘリ墜落死 搭乗していた「ベル212」の正体とは? そもそもVIP機なのになぜ古い機種だったのか
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イランのライシ大統領がヘリコプター墜落事故で死亡した。搭乗していたのは、陸上自衛隊も使用するUH-1型系列に連なる汎用の中型ヘリコプター「ベル212」だった。
CFIT事故の危険

こうした山岳地での視界不良による事故は日本でも数多く発生しているが、群馬県の防災ヘリが墜落した事例は、今回の事故に比較的よく似ている。
2018年8月に起きたこの事故では、登山道調査のため山岳地域を飛行していたベル412型防災ヘリが、視界悪化のため地表を視認できなくなり、山の斜面に衝突した。回収された飛行データや機内映像記録などから、地表を視認できなくなった機長は
「空間識失調(バーティゴ)」
に陥っていたと見られ、引き返しの判断が遅れたことが事故につながったと考えられている。
山岳地における視界不良では、危険度の高い緊急着陸やバーティゴに至る以前に、山の斜面に激突してしまう事故も発生する。こうした事故を「CFIT(Controlled Flight Into Terrain)」と呼ぶが、日本語にすると、地面に向かっての制御された飛行となる。
「故障など起きていないのに、視界を失ったパイロットが地面に向かって飛んでしまう」
という意味だ。このCFITによる墜落事故は数多く発生しており、筆者(ブースカちゃん、元航空機プロジェクトエンジニア)もヘリコプターと軽飛行機の両方で、知人を失った経験がある。