「格安観光地」に成り下がった日本! 観光公害の深刻化で「宿泊税」検討も、もはや混雑“ディズニーランド並み”の現実
コロナ禍前を上回る訪日外国人観光客の殺到で観光公害が深刻化するなか、宿泊税などの対策を検討し始めた自治体が相次いでいる。その背景には、ますます厳しくなる自治体の予算が見える。
社会保障費増大で自治体財政が火の車に

自治体が法定外税の検討を急ぐ背景には、厳しさを増す財政事情がある。首都圏を除けば大半の自治体が急激な人口減少に入り、税収に影響している。バブル経済の約30年前、自前の税収が予算の3割しかない自治体が財源と権限を国に握られている現状を
「3割自治」
と呼んだが、いまや自主財源が1割前後の自治体も珍しくない。
しかも、高齢化の進行で2023年度、国全体の社会保障給付費は134.3兆円まで膨れた。社会保障費は国だけでなく、自治体も負担している。国民健康保険だと都道府県が2割強、市町村が1割弱、介護なら都道府県、市町村とも3割弱を受け持つ。
2025年には戦後のベビーブームで生まれた団塊の世代約800万人が全員、75歳以上の後期高齢者になる。社会保障費のさらなる増加が避けられず、自治体財政はますます困窮する見込み。観光地を抱える自治体が法定外税導入へ動くのはやむを得ない一面もある。
ただ、法定外税の導入が観光公害の緩和につながるかといえば、それは期待しにくい。訪日客が殺到するのは日本旅行が
「安上がり」
だからだ。バブル崩壊後、日本人の所得が増えないなか、海外では賃金上昇が続いた。その結果、欧米との経済格差が広がり、アジア諸国に追いつかれたところへ円安が追い打ちをかけている。
京都市東山区の五条坂で串に刺した宮崎牛や神戸牛の小さなステーキが1本2000円で販売されていた。日本人観光客が尻込みするなか、訪日客は「安い」と大喜び。日本が“格安の旅行地”である限り、訪日客ラッシュに終わりが見えない。自治体は当面、訪日客の増加を覚悟して財源を探すしかなさそうだ。