中国人の“爆買い”にはもう頼れない! これからのインバウンド対策、カギは「リスク分散」 収益モデルに変化の兆し
インバウンド市場の多様化

2023年の東京都の外国人延べ宿泊者数は3365万人で、そのうち中国人は2019年度比で420万人から283万人に減少したが、その他の地域からの宿泊者数は
・東アジア:431万人増
・東南アジア:95万人増
・欧米:332万人増
と大幅に増加した。ひとりあたりの消費単価も2019年の9万9959円から2023年には14万942円に増加している。同様に大阪府と京都府でも、中国人観光客の大幅な減少を他地域からの観光客の増加で補っているため、観光客数は増加し、ひとりあたり消費単価も増加している。
注目すべきは、もとよりインバウンド需要の高い大都市圏よりも地方の動向だ。例えば、和歌山県では、中国人観光客の数が減り、全体の宿泊者数は減少したものの、ひとりあたり消費単価は上昇している。和歌山県の宿泊客数のデータを示そう。
●2019年
宿泊者数:39万550人(うち中国13万8460人、東アジア14万340人、東南アジア2万7530人、欧米2万8820人)
●2023年
宿泊者数:24万5800人(うち中国5万8940人、東アジア10万5150人、東南アジア1万5770人、欧米3万2270人)
このように総数が、中国人観光客の減少により減っているにもかかわらず、和歌山県のひとりあたり旅行消費単価は2019年の2万6513円から2023年には
「3万277円(約14%増)」
となっている。また、山形県も観光客総数は減少しているが、ひとりあたりの旅行消費単価は2019年の4万711円から2023年には4万996円(0.7%増)に。奈良県でも同様の現象が起きており、観光客総数は激減しているが、ひとりあたりの消費単価は増加している。
これらの事例は、ポストコロナのインバウンド市場において、中国一辺倒から脱却し、多方面から観光客を呼び込むことが必要であり、それに成功した地域がインバウンドの恩恵を大きく受けることを示している。