あえて今、「マニュアル車」という選択肢 “電動化時代”におけるその存在意義とは
日本ではMT仕様の車種が大幅に減少しており、新車販売に占めるMT車の割合は2%にも満たない。運転に一定の技術や慣れが必要とされ、敬遠される傾向にある。今後どうなるのか。
MT車の技術的課題と未来展望

日本の道路事情では、信号や交差点、渋滞が多いためシフトチェンジが頻繁になるMT車は敬遠されがちだ。また、左右の足の動きと手の動きがそれぞれ異なる複雑な操作を行うMT車の運転に不安を感じる人も多い。
しかし、MT車にもメリットはある。ペダルの踏み間違いがないため突発的な誤発進による事故を起こしにくい。またAT車と比べて、燃費がよいことも挙げられる。海外では、MT車が新車販売の8割から9割を占める国もある。
ただ、MT車にAT車と同様の運転支援システムを搭載することは技術的に難しいという課題がある。さらに、今後の電動化時代に向けて、MT車も電動パワートレインに対応した設計が必要となるだろう。
エンジン車とは異なる出力特性を持つモーターをいかに制御し、MT車の面白さを引き出していくかが問われている。パドルシフトとの連携やどこまで自動化できるかもエンジニアにかかっている。いずれにしろ、MT車はマニアックな存在として、自動運転の進展とは別の次元で独自の進化を遂げていくだろう。
電動化時代においても、「運転する喜び」を味わえる貴重な選択肢として、MT車の存在意義は失われないのではないだろうか。自動車メーカーには、MT車ならではの魅力を引き出す新技術の開発に期待したい。