あえて今、「マニュアル車」という選択肢 “電動化時代”におけるその存在意義とは
日本ではMT仕様の車種が大幅に減少しており、新車販売に占めるMT車の割合は2%にも満たない。運転に一定の技術や慣れが必要とされ、敬遠される傾向にある。今後どうなるのか。
自動運転時代におけるMT車の役割

日本の自動車市場では、MT仕様の車種が大幅に減少しており、新車販売の中でMT新車販車の比率は2%を切っている。また、MT車はドライバー自身がクラッチ操作とシフトチェンジを行う必要があるため、運転には一定の技術と慣れが必要とされるため、敬遠されがちだ。
しかし、MT車ならではのダイレクトな操作感覚やエンジン特性を体感でき、アクセル・クラッチ・シフトレバーの操作をドライバーの意思で自在にコントロールできる楽しさがある。
MT車はドライバーがメインで操作する部分が多いため、運転支援や安全運転のサポートは技術的なハードルが高い。アクセルやクラッチ操作のタイミングやシフトチェンジのタイミングをアシストしたり、ドライバーの意図を読み取り運転操作に反映したりする技術の開発などが求められるが、MT車の操作感覚を損なわずに支援することは容易ではない。
しかし近年、自動車メーカーがMT車の魅力を引き出す新たな技術にも注力し始めている。スバルは2023年秋に「BRZ」改良モデルを発表した。MT車向けに開発した新バージョンの運転支援システム「アイサイト」を初めて搭載している。これにより、マニュアル車ならではの操作の楽しさを損なうことなく安全運転をアシストできるようになる。
また、スズキもMT車への予防安全機能の搭載を進めており、「スイフトスポーツ」のMT車に、デュアルセンサーブレーキサポートなどの予防安全機能を採用している。MT車でも衝突被害軽減ブレーキなどの先進技術が生きている。
MT車の必要性に注目している自動車メーカーは、MT車ならではの「運転する喜び」と、自動運転がもたらす「利便性」のふたつの魅力を兼ね備えた新しい車の形を追求しているのである。