北区の「Kバス」に乗って“区役所カレー”を食べに行ったら、コレが絶品だったんです【連載】町バスに乗って(6)

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役所の食堂が大好きな筆者が、コミュニティーバス「Kバス」に乗って、北区役所へ向かう。

Kバスの日常風景

練馬区役所では6枚の路線図が配布されていた(画像:下関マグロ)
練馬区役所では6枚の路線図が配布されていた(画像:下関マグロ)

 今回、筆者は北区を選んだ。北区役所の食堂には、ユニークなカレーライスがあるらしい。まずは山手線に乗り込む。ちなみに、北区にはJRの駅が11駅もある。北区は東京23区で最もJRの駅が多いという。

 JR京浜東北線の王子駅から北区役所までは歩いて5分ほどだが、今回はKバスに乗ろうと、山手線の田端駅で降りた。Kバスの「JR田端駅」停留所は北口から徒歩2分のところにある。停留所には「北区コミュニティーバス」とだけ書かれていて、Kバスの文字はない。桜の花びらがKのマークを形作っているイラストがあるだけだ。

 筆者は「Kバス」という名前が好きなのだが、どうも浸透していないようだ。インターネットで検索してみると、三重県の北部に位置する桑名市が運行するコミュニティーバスが「K-バス」と呼ばれていることがわかった。

 このバスは2001(平成13)年に運行を開始した。北区のコミュニティーバスが本格運行を開始したのが2010年だから、桑名市のバスが先行していることになる。ハイフン付きの「K-バス」が桑名市、ハイフンなしの「Kバス」が北区である。桑名市は「けーバス」、北区は「けいバス」と読む。

 さて、JR田端駅停留所の時刻表を見ると、Kバスは1時間に3本ほど走っているようだ。ちょうど出発したところで、次のバスまでまだ時間があった。そこで、すぐ隣にある田端文士村記念館をのぞいてみることにした。入館料が無料なのがうれしい。田端は、大正から昭和初期にかけて多くの小説家や詩人の住んだ街だった。田端に住んでいた有名人には、芥川龍之介、萩原朔太郎、菊池寛、堀辰雄などがいる。

 停留所に戻る時間になると、間もなくKバスが到着した。小型のノンステップバスで、よくあるタイプのコミュニティーバスだった。ノンステップバスは和製英語で、出入り口の段差が少ないバスを意味する。前のドアから乗り、後ろのドアから降りるスタイルのようだ。運賃は前払い。現金のほか、パスモやスイカなどの交通系ICカードも使える。筆者はパスモで乗車した。運賃は100円だ。

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