沖縄の「カニ注意」標識、知ってる? 路上での動物事故、その対策の実態とは

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観光地にそぐわない「カニ注意!」の道路標識が目に飛び込んでくる。沖縄のロードキル対策。重要な3要因とは。

生態系の影響

オカガニ(画像:写真AC)
オカガニ(画像:写真AC)

 瀬長島は四方を海に囲まれており、島の中央には緑が残る小山と大きなホテルがある。オカガニは小山の木群生地帯と海を往来する。この海と子山の往来には、四方を囲む道路を横断する必要がある。その際にロードキルが発生しているのだ。

 環境の変化により生物の存在が危ぶまれるとどうなるのか。生物多様性という言葉を聞いたことのある人も多いだろう。環境省のウェブサイトによれば、生物多様性には次の三つのレベルがあると提唱されている。

・生態系レベル
・種のレベル
・遺伝子のレベル

オカガニ問題から見ると、観光開発によって生態系が変化し、自動車の往来が増えてロードキルも増え、種の保存レベルが危ぶまれる状況になったのだろう。

 実際、沖縄県立博物館・美術館に所属する山崎仁也氏の調査によると、オカガニの確認個体数は環境整備が始まった2014年の150匹から、2017年には43匹にまで激減している。
生物多様性を守る意義は、動植物が医薬品の開発や食料の根源であることにある。また、生物多様性を守ることは、私たちの生活を守ることと同義であると解釈されている。

 近年、生物多様性を守るための概念として「ネイチャーポジティブ」という考え方が提唱されている。ネイチャーポジティブとは、2022年の生物多様性条約の国際会議で提唱された概念で、

「自然を回復させていくよう、生物多様性の損失を止め、反転させる」

というものである。

 山崎氏の調査報告によると、ロードキル対策が功を奏し、2016年に23匹だったオカガニのロードキル数は翌年には7匹にまで減少したという。その対策とは、

「道路の縁石を穴あき型に変える」

ことだった。なぜ穴あき型がロードキル対策に効果的なのだろうか。

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