「オスプレイを防災ヘリに」 12月の沖縄県議“つよつよ発言”に見る、無知よりコワいその軽さ

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自民党の又吉清義議員が、オスプレイについて「県の防災ヘリに導入するなど、民間機としても素晴らしい飛行機になりませんか」と主張したことが報じられた。

地元議員による非現実的な発想

オスプレイ(画像:写真AC)
オスプレイ(画像:写真AC)

 12月19日の沖縄県議会で、自民党の又吉清義議員が、オスプレイについて「県の防災ヘリに導入するなど、民間機としても素晴らしい飛行機になりませんか」と主張したことが報じられた。

 沖縄県は全国の都道府県の中で唯一、防災ヘリが未配備の県である。これまで配備が進まなかったのは、財政上の問題などもあるのだが、本島から距離の離れた離島をカバーする必要があって、他府県よりも要求性能の条件が厳しい特殊事情もある。その沖縄でもやっと防災ヘリ導入の計画が決まり、2025年の導入を目指して検討が行われているところである。

 しかし、又吉県議が口にした「オスプレイを防災ヘリに」という提案は、ティルト・ローター機の航続性能や速度性能に関してはそのとおりだが、それがオスプレイだというなら

「考慮に値しない話」

である。

 ローターからの吹きおろしが強烈なオスプレイは、防災ヘリに求められる救難任務に適さないし、そもそも民間機としての耐空証明を取得することもできない。又吉氏は右派色の強い自民党県議で、

「特別な思い」

を抱いているものと思われるが、ただでさえ多くの県民から強い反感のあるオスプレイをわざわざ持ち出すのは、県会議員として常識を欠いている。

 航空機には、機体の種別や規模によって満たすべき耐空性(安全性)の基準が定められており、これに従って当局が審査を行ったうえで、耐空証明が与えられる。しかし、ティルト・ローター機であるオスプレイには審査の基準が存在しないし、民間機として耐空証明を取得しようという話もない。

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