なるか「軽EV元年」 三菱K-EVコンセプトXスタイルに見る、普及への展望と課題とは
「i-MiEV」から13年、劇的な性能向上

価格も国や地方自治体などの購入補助金を考慮するとベース車両で実質200万円前後となると発表されており、これが実現すれば、三菱が2009(平成21)年7月に車両本体価格459.9万円、補助金を適用後で320.9万円で発売した初の軽EV「i-MiEV(アイミーブ)」よりも100万円以上も安い。しかもバッテリー容量はi-MiEVの16.0kWhから20kWhにアップされている。その意味でもリーズナブルな価格設定となることは確かのようで、加藤社長が“軽EV普及元年”と宣言した根拠もここにあると言っていいだろう。
ではNMKVから送り出される軽EVは本当に普及するだけの魅力はあるのだろうか。ここからは手持ちの情報を基に、マイカーとして使うメリットは何か、あるいはデメリットはどんな点が考えられるかを考察してみたいと思う。
まず軽EVとしての総体的な仕上がりから考えてみたい。これは三菱がi-MiEVを発売してから13年が経ち、その間の進化は容易に推測できる。特に三菱はi-MiEVで培った経験を基に、アウトランダーやエクリプスクロスにPHEVを投入したことで、三菱にはi-MiEVを発売した頃を上回る知見が蓄積されたのは確実。これにEVであるリーフで培った日産の知見が加わり、両社の知見が融合することによって新たな技術的昇華がもたらされる。
その上、世界的な電動化の流れによってEVに欠かせないリチウムイオン電池やモーター、各種制御系システムのコスト削減は軽EVにも追い風となる。これらが相乗効果となって、i-MiEVが登場した頃とは比較にならないほど充実した仕上がりとなることだろう。
走行時は排出ガスを出さないという環境面に対する意識が生まれるのはEVを使う最大のメリットだ。EVは走行音や振動が少なく、スタート時から力強い加速が生まれるなどクルマとしての走行フィールをもたらし、軽EVはそれまでの軽自動車をはるかに超える上質さが期待できそうだ。また、搭載バッテリーは停電した際の蓄電池としても利用できる仕様になる可能性もあり、それは自然災害などで大いに活躍するはずだ。