万博シャトルバス運転手「100人以上不足」 ヘルプ求めたくても、地方バス「人員余裕なし」の現実 開催どうなる?
観光バスも運転士不足で八方ふさがり

協会は11月下旬、大阪市内で全国の貸し切りバス会社や旅行会社を対象にシャトルバス運転士確保に向けた説明会を開いた。2団体、20社から約30人が会場を訪れるなか、協会は貸し切りバス会社や旅行会社を通じて大阪府のバス会社へ運転士をあっせんする方法などを提案した。
路線バスの運転士不足がひっ迫しているため、季節的な需要の変動が大きい観光バスに照準を合わせ、運転士を確保しようとしているわけだ。協会は
「路線バスに影響が出るのは避けたい。遠隔地から運転士を派遣するなら宿泊費、派遣でバスが休車となるならその費用など派遣に伴う経費をどのように支援するかを検討し、運転士を確保したい」
としている。
しかし、観光バスも運転士不足が深刻さを増している。沖縄県では9月、修学旅行シーズンの10~12月を前に1200台分のバスを手配できそうもないことが明らかになった。コロナ禍で200台以上の車両が減ったうえ、運転士不足で7割ほどしか稼働できないからだ。
秋が観光の閑散期となる北海道から50人以上の運転士を集めるなどしてやり繰りした結果、どうにか対応できたが、内閣府沖縄総合事務局や沖縄県観光振興課は
「人手不足から非常に厳しい状況が続いている」
と頭を痛めている。
富士山など多くの観光地を抱える静岡県では、運転士不足で急激に回復する訪日外国人観光客の対応に手が回らない。静岡市の業者は
「コロナ禍で運転士が半減した。万博に人を出す余裕はない」
と渋い口調で話した。
運転士確保には賃金を上げるのが早道だが、多くのバス会社はコロナ禍の影響を引きずり、高止まりする燃料費に苦しんでいる。運賃改定や不採算路線の廃止などで経営を立て直さない限り、賃金を引き上げられない。
万博を人工島の夢洲で開催する以上、シャトルバスを計画通りに運行しなければ成功はおぼつかない。かといって万博の代償に各地のバス事業を犠牲にするわけにもいかない。八方ふさがりに見えるなか、協会や大阪府市の苦悩は募るばかりだ。