「オスプレイ墜落」で見えてきた安全性の限界 “離島空港”の危機管理は本当に十分なのか?

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鹿児島県の屋久島沖で発生したCV-22オスプレイ墜落に関して、米空軍特殊作戦司令部は12月6日、「初期段階の調査で得られた情報は、機体そのものの問題が事故につながった可能性を示している」と明らかにした。

ついに全機の一時飛行停止を決定

CV-22オスプレイ(画像:写真AC)
CV-22オスプレイ(画像:写真AC)

 鹿児島県の屋久島沖で発生したCV-22オスプレイ墜落に関して、米空軍特殊作戦司令部は12月6日、「初期段階の調査で得られた情報は、機体そのものの問題が事故につながった可能性を示している」と明らかにした。これを受けて、海兵隊などが使用するMV-22を含め、世界中に配備されているオスプレイ全機の飛行が停止されることになった。

 米軍以外で唯一オスプレイを運用している陸上自衛隊も、今回の事故後に飛行を見合わせているが、引き続き米軍の処置に準じた対応を取ることになるだろう。

 飛行停止がこれほどの規模に及ぶことは異例だが、オスプレイに関しては2023年に入って

「ハード・クラッチ・エンゲージメント(HCE)」

という技術的問題に起因する飛行停止があったばかりで、今回の措置は米国本国でも大きな関心を呼んでいる。米空軍の発表にある「初期段階の調査」で判明した不具合の可能性が、HCEに関係するものかどうかは不明だが、いずれにしても問題は深刻だ。

 その一方で、墜落機が屋久島空港に緊急着陸を試みた同時刻、まさに同じ滑走路から旅客機が出発しており、

「民間機を巻き込む事故」

につながる可能性もあったことが判明した。フリーランス・ジャーナリストの大矢英代(はなよ)氏がスローニュースで報じたものだが、日本政府や米軍当局からは、これまで一切発表されていなかった事実である。

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