中高年社員が陥りがちな“レッテル貼り”思考! 若手を「Z世代」と一括りにせず、オタク的才能を真っ先に評価せよ
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中高年世代は20代の若手世代全体を「Z世代」と呼び、「異質だ」という扱いをしているが、昔の自分たち比べてとそれほど本質的に変わるものだろうか。
世代論のあやしさ

世代間のギャップと、それに基づく世代間闘争のようなものは常に存在する。特に上の世代が若い世代に対して、ややネガティブなレッテルを貼るのは日常茶飯事だ。
例えば、1980年代に若者を指す言葉としてよく使われた
「新人類」(従来とは異なった感性や価値観、行動規範を持っているという意味で、栗本慎一郎氏が作り出した造語)
たちも、今や還暦を過ぎて、現在では高齢者だ。
そして、彼らを含む中高年世代は、最近だと20代の若手世代全体を「Z世代」と呼び、以前の「新人類」的に「異質だ」という扱いをしているが、昔の自分たち比べてとそれほど本質的に変わるものだろうか。
全体傾向より目の前の個人

本当のところは、いつの世でも若者は若者らしいだけなのではないかと筆者(曽和利光、人事コンサルタント)は思う。
そもそも“世代丸ごと”が何かの性質を帯びるということ自体がおかしい。周囲を見回せば、同世代でも多様な人がいるのがすぐわかる。もちろん世代ごとに
「傾向」
がないとはいわない。最大公約数的なマス向けの施策を考える際には「傾向」も参考にはなる。
しかし、目の前にいる個人を見るときに、世代論はむしろ固定観念のバイアスとなってしまい、正確に真実を読み取ることができなくなる可能性もある。「Z世代」でも「新人類」みたいな人はいるし、「氷河期世代」みたいな人もいるし、「昭和世代」な人もいるのだ。
世代より個人をよく見るべきだ。このようなことをいわなければならないのは、多くの人は
「外集団同質性バイアス」
という、自分の所属する集団に比べて“他の集団の同質性”を高いものとみなす傾向があるからだ。