ドライブのお供「サンルーフ」 最近すっかり見かけなくなったワケ
サンルーフ人気は少しずつ衰退し、今や標準装備する車種はほぼ皆無となった。その原因は何だろうか。
サンルーフ減少の背景

サンルーフの採用が減少する背景には、自動車産業における
・安全基準の厳格化
・製造コスト
の問題が起因している。
まず、サンルーフの採用で、その穴を車両の天井に設けることにともなう剛性と重量の問題が挙げられる。そもそもクルマの屋根は、車体の剛性を担う重要な役割を持っているため、穴を開けることによって車両の剛性が低下し、クルマの乗り心地や運動性能に影響を及ぼす可能性がある。
また、サンルーフのガラスやサンルーフ機構一式を組み合わせることにより、車両全体の重量が増加。これが、燃費やパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があるのだ。
このため一部の自動車メーカーは、安全性と性能を損なわずにサンルーフを提供するために新たな技術や材料の開発に取り組んでいる。そのなかのひとつとして、九州ナノテック光学(大分県日出町)が独自に開発した液晶調光フィルムと呼ばれるものがある。
これは、サンルーフで使われるガラスに特殊な遮熱機能付き調光フィルムを組み合わせたもの。非通電状態ではクリアな視界を保っているが、通電状態にすると、液晶高分子の働きにより光の入りを任意で遮断し、
・赤外線:65%
・紫外線:99%
以上を実現する。つまり、サンルーフのシェードを使わなくても直射日光や紫外線をカットし、車内の快適性を維持することができるのだ。
さらに、サンルーフの機構を一部省略できるため、クルマの剛性や車両重量にもさほど影響しない。このほかにも、新たなサンルーフを続々と開発するなど、サンルーフの採用を増加させるための解決策を模索している段階である。