無人運転で「ドライバー&運送会社消滅」は本当か?【短期連載】自動運転が運送業にもたらす未来(3)

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「自動運転・無人運転が運送ビジネスにもたらす未来」、最終話では、自動運転・無人運転が、実装された社会において、トラックドライバーや運送会社がどのような影響を受けるのか、考えていきたい。

無人運転になったら、ドライバーはむしろ儲かる?

 もっとも期待されるのは、フィジカルインターネットの実現である。これは、荷主間にある壁、物流事業者間にある壁、運べる/運べない貨物の壁などを取り除き、限りなくオープンな物流ネットワークを創り上げることで、究極に最適化された物流を目指す取り組みだ。

 現在、トラック輸送における平均積載率は約40%とされているが、フィジカルインターネットが輸送効率の向上を実現し、仮に60%の積載率を実現すれば現在の7割以下のトラック台数で、仮に80%の積載率を実現すれば半分のトラック台数で、計算上は国内の貨物輸送を担うことができる。

 もう一つが、無人運転の実現である。

 繰り返しになるが、無人運転トラックが社会実装されたとしても、人の手を必要とする運送ビジネスは必ず残る。荷役要員としての役目だけでなく、トラックを運転するトラックドライバーも少数ながら生き残るだろう。

「でもきっと、給料は減りますよね」──これはあるドライバーと無人運転がもたらす将来について雑談していた時に、彼が発した言葉だ。そうとは言い切れないと思う。むしろ将来的には、残されたドライバーの収入は上る可能性すらある。

 理由は、残存者利益である。

 残存者利益とは、特定のマーケットにおいて、競合他社が撤退をした結果、残された企業が市場を独占することで得られる利益を指す。SI(システムインテグレート)ビジネスでは、例えばCOBOLといった古いプログラミング言語を用い、未だに開発できる能力を持った企業が、残存者利益を享受している。

 とは言え、残存者利益を享受できる状態まで生き残るのも茨の道である。間違いなく、道半ばで力尽き、廃業する運送会社が大半であろう。

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