トラック自動運転 カギを握る車両メーカー UDトラックスに聞く【短期連載】自動運転が運送業にもたらす未来(2)
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トラックの自動運転・無人運転の実現を考えるとき、当然ながら自動車メーカーの存在は重要だ。2話目となる本稿では、UDトラックスに話を伺い、自動運転・無人運転に対するトラックメーカーの役割を考えていく。
閉鎖空間での実証実験を積み上げるUDトラックス
UDトラックスは2021年11月12日、神戸製鋼所とレベル4の自動運転トラックに対する共同実証実験を行うことを発表した。神戸製鋼所の加古川製鉄所内において、UDの大型トラック「クオン」をベースに開発したレベル4自動運転技術車両を用いて、実証実験を行う。
UDトラックスがレベル4の自動運転トラックに対する実証実験を行うのは、これが初めてではない。2019年8月には、日本通運、ホクレンとともに、北海道にあるホクレン中斜里製糖工場において、砂糖の原料となるてん菜の運搬業務を想定した実証実験を実施している。周辺の公道から工場入口を経て、てん菜集積場、加工ライン投入口に至る約1.3kmの運搬ルートを20km/hで自動走行した。
閉鎖空間での実証実験を繰り返す理由について、UDトラックス 広報部長 栗橋恵都子氏は次のように語る。
「自動運転が必要な理由は複数あります。安全な道路交通の実現、トラックドライバーの高齢化と労働力不足の対応、輸送ビジネスの効率化、脱炭素社会の実現などです。いずれにしても、自動運転技術の安全性が確立されていることが大前提となります」
自動運転・無人運転を実現するためには、各種センサー技術の開発が不可欠である。以前、私が他メディアにて、LiDARなどセンサー技術の取材を行ったときには、センサーメーカーは、無人運転技術の実現に対する自信を隠さなかった。
一方で、UDトラックスは、完全無人運転、すなわちレベル4以上の自動運転に対しては、慎重な態度を崩さない。