無人運転で「ドライバー&運送会社消滅」は本当か?【短期連載】自動運転が運送業にもたらす未来(3)
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無人化しても失われない“有人の価値”
もう一つは、無人運転が実現しても、運送ビジネスは人を必要とするということだ。
理由は既に述べた通り。運送ビジネスとは、輸送プロセスと荷役プロセスから成立するものであり、自動運転・無人運転とは、輸送プロセスのみに影響を与えるものだからである。
もちろん、ロボットなどを活用した自動倉庫・無人倉庫の開発も進んでいる。フィジカルインターネットが実現すれば、荷役の手間は大幅に減るだろう。しかしそれでも、世にあるすべての貨物が、すべてロボットによって荷役されるようになるのは無理だ。ロボットでは対応できない貨物や、人とロボットが協働する仕事は、必ず残る。
また、別の発想もある。
「ロボットでは実現不可能な、繊細な棚入れ作業を人の手で行います」──棚入れは一例に過ぎないが、競合との差別化を図るために、あえて人間による荷役作業をアピールする運送ビジネスも生まれると、私は考えている。例えれば、優れた製麺機が世には無数にあるにも関わらず、手打ち・手延べのうどんや蕎麦をありがたがる心情と似ているのかもしれない。
これは荷役要員であって、もはやドライバーではないのだが、このように形を変え、無人運転が社会実装された将来においても、元トラックドライバーの仕事は残るのではないか。
自動運転・無人運転がもたらす運送ビジネスの将来
総務省の調査によれば、トラック輸送ビジネスに関わる国内就業者数は194万人であり、50歳以上が43%、40歳以上50歳未満が約30%を占めている(2020年現在)。
高齢化が進む運送会社において、ドライバーの数が減少していくこの流れは、もはや止められないだろう。若い人たちに、「トラックドライバーとして働きたい!」と思わせるようなポジティブな材料は、残念ながら存在しない。
国内貨物の91.8%は、トラックが運んでいる(重量ベース)。トラック輸送の担い手たるドライバーが減少していくことが目に見えている今、手を打たなければ、「モノは作ったけれども、運ぶことができない」という物流難民が世にあふれてしまう。
対策はいくつかある。