トラックドライバー「尿ペット」投棄問題 悪いのはドライバーか、それとも社会か? ネット紛糾で問われる過酷現実

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最近、トラックドライバーの尿入りペットボトルの話題が、インターネット上でにわかに熱くなっている。幹線道路沿いの草むらや、荷受先や荷下ろし先の周囲で、黄金ペットが投棄されており、それが社会問題になっている。

ペットボトルに頼る理由

道路に捨てられたペットボトルのイメージ(画像:写真AC)
道路に捨てられたペットボトルのイメージ(画像:写真AC)

 トラックドライバーが、ペットボトルに頼る理由はいくつかあげられている。

 ひとつ目は、トラックが駐車できる「休憩設備の不足」である。普通車であればコンビニエンスストアや道路沿いの休憩スペース、公衆トイレなど選択肢が広がるが、駐車場所の制約を受けるトラックはそうはいかない。

 ふたつ目は「時間的制約」である。配送業務は時間との戦いの側面があり、予期せず渋滞にはまるなどしてトイレの時間を節約してでも走り続けなければならない場合もある。

 三つ目は「待機時間」だ。荷受先や荷下ろし先で待機指示が出た場合、ひたすら待ち続けなければならない。高速道路の入り口での深夜割引の時間帯になるまでの待機も待機時間に違いないが、そもそもその行為が違反であるとともに、最終的には労働環境や駐車場の問題に還元される。

 その先の黄金ペットを投棄する行為については、

・悪いとわかってやっている
・モラルだけでは片付けられない

両方の層があるように思える、

 悪いとわかっている場合は、啓発活動やペットボトルに頼らなくてもよい環境づくりで、黄金ペットの投棄数は減らせるだろう。問題は、モラルが通じない場合だ。一般的な行動原理とは異なる

「何か特別なこだわり」

があり、おそらく法令等で処罰されても投棄を続けるかもしれない。

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