トラックドライバー「尿ペット」投棄問題 悪いのはドライバーか、それとも社会か? ネット紛糾で問われる過酷現実

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最近、トラックドライバーの尿入りペットボトルの話題が、インターネット上でにわかに熱くなっている。幹線道路沿いの草むらや、荷受先や荷下ろし先の周囲で、黄金ペットが投棄されており、それが社会問題になっている。

解決に必要な「社会協力」「時間」

道路を走るトラック(画像:写真AC)
道路を走るトラック(画像:写真AC)

 トラックドライバーの黄金ペットの問題は、インフラの未整備、荷受先・配送先の対応、時間的制約が原因であり社会の問題と捉えるべきだろう。

 また、ペットボトルや携帯トイレは常に利用するものではなく、あくまでも緊急手段としての使用があるべき姿である。

 トラックドライバーが、黄金ペットに頼らなくても済むように、今日まで訴えられ続けてきたインフラの整備や荷主側の対応の見直しだけでなく、

・運送会社の設備の共用
・関係箇所のトイレの開放

など、労働環境の改善を進めていかなければならない。

 もちろん、黄金ペットを捨てないというモラルの向上も必要だ。業界をあげてキャンペーンなど継続的に行うことで、すぐには黄金ペットの投棄がゼロにはならないかもしれないが、年を経るにつれてトラックドライバーによる黄金ペットの投棄は少なくなるだろう。

 黄金ペット投棄の問題は、円滑な社会活動の維持と引き換えに、トラックドライバーに

「過酷な労働条件を押し付けてきたツケ」

であり、解決には社会の協力とインフラ整備とモラルの回復に向けた時間が必要である。

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