トラックドライバー「尿ペット」投棄問題 悪いのはドライバーか、それとも社会か? ネット紛糾で問われる過酷現実
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最近、トラックドライバーの尿入りペットボトルの話題が、インターネット上でにわかに熱くなっている。幹線道路沿いの草むらや、荷受先や荷下ろし先の周囲で、黄金ペットが投棄されており、それが社会問題になっている。
海外でも悩みの種

黄金ペットの投棄は日本だけの問題ではない。トラックが走るところであれば世界共通の悩みだ。
米国では、「Trucker Bomb」直訳すると
「トラックドライバー爆弾」
と呼ばれており、社会的な問題となっている。なかには、黄金ペットの投棄に罰金を課す地域もあるそうであるが、限定的である。
海外のいくつかの記事を読むと、トラックドライバーがペットボトルで用を足す理由として、やはりトイレや休憩所の不足、荷物を届ける時間的制約があげられている。これらの課題は国や地域に関係なく、トラック輸送が抱える課題のように思える。
またドイツでは、黄金ペットではなく、
「道路沿いで直接用を足す」
トラックドライバーに困り果てた結果、住民が厳罰化に向けた法律の制定を請願した地域もあるという。
ヨーロッパで、トラックドライバーが場所をわきまえず排せつしたり、駐車したりするのは、インフラ不足に、
「運転時間・休憩時間の規定強化」
が追い打ちをかけているからだ。ルールに縛られるあまり、至る所で駐停車するようになったという。
トラックドライバーのモラルを問う論調がある一方で、
「トラックドライバーは、低賃金と過酷な労働条件の犠牲者であり、その犠牲でわれわれの日常生活は成り立っている」
と理解を示し、インフラ整備を推進すべきという政治家もいる。しかしながら、遅々として整備が進まない現実がある。