札幌丘珠空港はなぜ「宝の持ち腐れ」と呼ばれたのか? 滑走路延長の光明と課題、地域との共存模索できるか

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“宝の持ち腐れ”とまでいわれた札幌丘珠空港(北海道札幌市)に光明が差し込んだ。2030年までに滑走路を現在の15OOmから18OOmに延伸する目標が定まったのだ。

滑走路問題に方向性示せ

札幌丘珠空港(画像:写真AC)
札幌丘珠空港(画像:写真AC)

 だからこそ、滑走路問題は何度も浮上し、そのたびに議論されてきた。

 1995(平成7)年、札幌市と北海道は滑走路を1400mから2000mに延長する方針を発表したが、騒音を懸念する地元住民の猛反対に遭い、計画は1500mに短縮された。つまり、100mの延長にとどまったのである。

 延長の最大の問題は、周辺住民に受け入れられるかどうかである。一方、札幌に本格的な空港をという声は近年急速に高まっている。

 しかし、現実は厳しい。ANAが撤退している。航空会社の撤退は、空港がいかに使い勝手が悪く、採算が取れないかを如実に表している。

 撤退の年の利用者数は15万5000人にまで落ち込んだが、地元経済界の要請で名古屋(小牧)空港と結ぶ路線ができ、静岡線と松本線の定期便も就航して息を吹き返した。

 しかし、新型コロナウイルス感染症に見舞われ、3年間低迷した。そして復活への切り札として滑走路の延長が話題になった。

 このテーマは今後も続くだろうし、そのたびに騒音をめぐる論争が起こるだろう。しかし、小細工はやめるべきだ。

「住民理解が鍵」

というなら、市と市議会はしっかりと方向性を見いだして行動を起こさなければ、また同じ轍(てつ)を踏むことになる。市と市議会が率先垂範する決意を望みたい。

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