トラックの後輪に「シングルタイヤ」が全然普及しない理由

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トラックの後輪は、ほとんどがダブルタイヤだ。しかし最近、シングルタイヤを装着したトラックを見かけることがある。今後普及するのか。

新車の標準装備がキモ

道路を走るトレーラーとトラック(画像:写真AC)
道路を走るトレーラーとトラック(画像:写真AC)

 今後は、トラックは列車のように連結され、都市間を自動で結び、ドローンで商品を届けるようになると予測されているが、タイヤがパンクしたらどうするのだろうか。

 日本道路公団は2005(平成17)年に民営化され、もうからないことに関与しなくなった。あらゆることに合理化の波が押し寄せている今、赤字覚悟の自動化された道路を未来に向けてつくることはなく、高速道路料金は上がり続けるだろう。

 ドライバー不足で車両台数が横ばいの大型トラック市場では、売れるものは安くなり、売れないものは高くなる。タイヤメーカーは現在、シングルタイヤ市場を海外に求めており、スーパーシングルタイヤやスーパーワイドシングルタイヤを製造・販売しているが、日本ではまだまだ割高感がある。

 現在、スーパーシングルタイヤはトレーラーのシャシー台車に装着されることがほとんどで、今後スーパーシングルタイヤの装着数が増えていくためには、自動車メーカーが大型車やトレーラーに積極的に標準装着しない限り難しいだろう。

 台数的には、大型車や中型車用のシングルタイヤの方が日本では需要がありそうだが、後輪をシングルタイヤにするのであれば、ランフラットタイヤ(空気圧がゼロになっても走行可能なタイヤ)も同時に開発し、新車に標準装備するところまで価格を下げる必要があるだろう。

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