ダブル連結トラック急増「3年半で15倍」 物流緩和に大きな期待も、立ちふさがる“SA・PA整備遅れ”という厳しい現実
「ダブル連結トラック」に関する規制が2022年11月、緩和され、運行可能区間が約5140kmとなった。2024年問題控え、今後広まるか。
3年半で約15倍に増加

これらの条件をクリアし、運行が認可されたダブル連結トラックは、2019年の運用開始の時点では6社14台だったのに対して、2022年6月の時点では
「13社205台」
へと、3年半で約15倍へと増加した。現在ではもっと増えているだろう。
この増加率は極めて高いものの、運送会社が動かしている大型トラック総数に占める割合は微々たるものである。現時点ではランニングコストの低減が可能かどうか以前に、
「車両導入時のイニシャルコスト(初期費用)」
が高価であるという点がネックになっている。
また運用する上で、その車体の大きさゆえに駐車や休憩が可能なサービスエリアやパーキングエリアの整備が追い付いていないという問題も指摘されている。このことは実はかなり深刻な問題である。
現在、ダブル連結トラックの運行が許可されている高速道路のサービスエリア/パーキングエリアは多い。しかし、当該トラックの駐車が可能なのは上下線合わせて
「124か所」
に止まる。駐車可能な台数も、新東名の浜松サービスエリアや東名の足柄サービスエリアなど20台以上が確保されているのは特殊な例で、他は1台や2台などわずかだ。
この駐車キャパシティーの問題は、土地面積とも密接に関わっていることから早急に解決することは困難である。現在考えられている手法としては、運行ルートがおおむね決まっているダブル連結トラックの特性に合わせて、休憩のためのサービスエリアなどでの駐車場所を予約制とする案だ。これは既に実証実験が行われており、問題がなければ本格運用が始まると思われる。
ダブル連結トラックはまだ実際に公道を走行している台数は多くはない。しかし少子高齢化の日本において安定した物流を確保するには必須なシステムである。