山口「錦川鉄道」経営危機 岩国市の存廃協議入りも、沿線住民は熱い存続運動 昭和の奇跡は再び起きるのか

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山口県岩国市の第三セクター鉄道・錦川鉄道の存廃協議が始まった。2024年度末までに複数案をまとめ、福田良彦市長が最終判断する予定だが、沿線では存続運動がスタートした。

岩国市のプロジェクトチーム始動

錦川鉄道(画像:写真AC)
錦川鉄道(画像:写真AC)

 山口県岩国市の第三セクター鉄道・錦川鉄道の存廃協議が始まった。2024年度末までに複数案をまとめ、福田良彦市長が最終判断する予定だが、沿線では存続運動がスタートした。

「錦町を元気にして地元の宝を守りたい」
「ひとりひとりが1回でも多く乗車して鉄道を残そう」

山口県岩国市錦町の錦ふるさとセンターで5月末に開かれた錦川鉄道沿線住民の決起集会で、住民から路線維持を求める声が相次いだ。

 岩国市内を走る錦川鉄道は、錦町の高齢者や高校生にとって市中心部の病院や学校へ通う大切な生活の足。住民は市が存廃協議に踏み込んだことに不安を募らせ、人口2100人ほどの町内から120人余りが会場へ押し寄せた。

 住民団体「錦川清流線を育てる会」の堀江泰会長が住民運動の結果、廃止を迫られていた旧国鉄の岩日線が第三セクターで存続した経緯を報告、今後の存続に向けて熱弁をふるった。このあと、地元団体や住民が率先して錦川鉄道を利用し、存続を目指すことを申し合わせた。

 集会は地元のやましろ商工会青年部錦支部が催した。堀江泰会長の息子に当たる錦支部の堀江甲士さんは

「市長が存廃検討の考えを示して以来、錦川鉄道の社員に退職者が相次ぐなど動揺が走っている。鉄道を必要とする人たちがいる以上、住民の手で存続への道を探りたかった」

と狙いを語った。

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