ウクライナF16供与で「NATO東方拡大」現実味も、米国=虎視眈々という不気味さ
西側諸国によるF-16供与支援
ロシアとの戦いが長引くなか、西側諸国からウクライナへの兵器供与が続いているが、これまでの陸戦兵器やミサイル、弾薬類に続いて、ついにF-16戦闘機の供与が行われることになった。
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5月23日には、欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表によって、ポーランドでウクライナ人パイロットの訓練が始まったことが明らかにされている。
F-16を導入した国が第三国へ輸出や供与を行うには、秘密保持等の観点から米国政府の承認が必要だが、英国とオランダが戦闘機供与で「連合」することを5月16日に発表すると、当初は否定的だったバイデン大統領も、これを容認する姿勢に転じた。
機体がどこから提供されるかは明確には発表されていないが、オランダは早くも1月の時点でF-16供与を検討する用意があるとしており、まずオランダ空軍を退役した機体の供与が始まる可能性が高い。
オランダとノルウェーは、退役したF-16各12機を米国のドラケン・インターナショナル社に売却する契約を2021年に結んでいた。ドラケン社は戦闘機を使用して米国軍などの訓練を支援する民間企業だが、まだこれらの機体を受領しておらず、その機体がウクライナへの供与に振り向けられると見られている。
オランダは大量にF-16を導入した国で、同国のフォッカー社ではライセンス生産も行っていた。オランダ空軍は1979年から1992年までの間に合計213機のF-16A/Bを受領し、そのうち108機がMid-Life-Update(MLU)と呼ばれる能力向上改修を受けている。ウクライナに供給されるとすれば、このMLU改修を受けた機体(F-16AM/BMと呼ばれる)だと思われる。